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時代背景(安政の大獄)

 アヘン戦争(1842年)以来の深刻な対外関係を背景に、幕府は朝廷との結合強化を図り、政治的権威を保持しようとする。 しかし、政治能力のない将軍家定の継嗣問題が浮上するなか、幕府がアメリカの要求する不平等条約締結へ向かうのをみて、松平慶永ら有志大名、尊攘派の志士・草莽(そうもう)らは、朝廷への働きかけ(京都手入)に奔走するようになる。 紀州藩用達の富商世古恪太郎もその一人で、三条家に出入りし、水戸藩への降勅事件などにも関与している。

 こうした動きに対し、安政5年(1858)4月、譜代筆頭の井伊直弼が大老に就任し、条約締結を強行するとともに反対派への徹底した弾圧を開始する(安政の大獄)。 それは、死罪となった橋本左内、頼三樹三郎、吉田松陰らをはじめ、多数の大名、幕臣、志士を厳罰に処すことで威信回復を図ろうとするものであったが、これに激した水戸浪士により井伊大老が暗殺され(桜田門外の変)、幕府の権威は急速に衰えていったのである。

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