交代寄合西高木家関係資料は美濃国石津郡時郷・多良郷(現:岐阜県大垣市上石津町域)を知行所とした旗本・西高木家の旧蔵文書群である。 江戸時代から明治時代にかけての古文書・古記録・絵図等が約10万点現存しており、 その内容は「領域」・「支配」・「家臣」・「勤役」・「治水」に分類されている。 特に、高木家が江戸幕府の命によって木曽川および流域河道の監視・整備にあたる川通掛(水行奉行)に任命されたことから、 全国的にも稀な治水関係資料が12,000点以上も伝来している。 修理前の状況は本紙全体に「欠失」、「虫損」、「破れ」、「折れ」といった損傷が著しい状態であり、経年の汚れが付着している。 また、糊の接着力が低下し、本紙の継ぎ部分には糊離れが生じているなどの損傷が進行している状態である。
今回の事業では、今後多様な活用が期待されるため、調査、補修、整形、仕立て直し、中性紙保存箱の製作などの保存修理を行う。
令和3年度から令和5年度までの3ヶ年
株式会社 修美
今回の修理のうち、絵図では主に調査、本紙の欠失箇所には補修を施し、整形、仕立て直し、楮フォルダの製作等の修理を行った。 一紙もの、続紙などでは調査、ドライクリーニング、本紙の欠失箇所には補修を施す等の修理を行った。 冊子では調査、ドライクリーニング、本紙の欠失箇所には補修を施し、紙縒を用いて仕上を行う等の根本修理にて、本紙を安定した状態にした。
総事業費 :7,851,853円
国庫補助金:3,925,000円(補助率50%)
本事業は、文化庁美術工芸品重要文化財修理事業国庫補助金の交付、及び住友財団文化財維持・修復助成を受けて実施されました。