名古屋大学所蔵高木家文書
高木家文書 土岐郷風景

お知らせ

2024年08月19日 10/19(土)に第20回名古屋大学ホームカミングデイ附属図書館企画 「文化財をまもり、つたえる」を開催。
高木家文書に関する特別講演会、重要文化財特別展示、解説動画上映を行います。
2024年06月24日 高木家文書デジタルライブラリーは、東海国立大学機構学術デジタルアーカイブ上に移転し公開しました。
2023年02月14日 「高木家文書のうらばなし」を公開しました。「高木家文書」にまつわる身近な話題をご紹介しています。

高木家文書とは

「高木家文書」は、美濃国石津郡時郷・多良郷(現大垣市上石津町域)を知行所とした旗本・西高木家の旧蔵文書群です。

高木家は、もとは養老山地東部一帯に勢力を張る土豪でありましたが、のちに徳川家康の麾下となり、 関ヶ原合戦の功績によって近江・伊勢と国境を接する時郷・多良郷(岐阜県大垣市上石津町域)に、 高木貞利は2,300石、弟の貞友と貞俊はそれぞれ1,000石を与えられ、ともに多良郷宮村に陣屋を構えました。 高木貞利・貞友・貞俊にはじまる家系は、陣屋の位置関係から、西家・東家・北家と称され、三家は明治維新にいたるまで同地を支配し続けます。 また、西高木家の当主は、維新後も同地に居住し、学区取締や郡長・衆議院議員などの公職を歴任しました。

「高木家文書」は、こうした西高木家の履歴を反映して、以下の特徴を有しております。

1. 木曽三川流域における治水資料の宝庫であること。
2. 江戸時代全期間を通じての、旗本領主制の様相を知りうる貴重な資料群であること。
3. 財政関係や家督・日記・交際・家作・吉事・仏事といった家政関係文書が豊富なこと。
4. 維新期以降の文書も多く、旗本家の明治維新の乗り切り方や近代地方政治の実態などをうかがうことができること。

江戸時代から明治時代にかけての古文書・古記録・絵図等が10万点近く現存しており、 多くの旗本文書が幕府瓦解により散逸した中で、傑出した規模と内容を有する文書群として知られています。 中でも高木家が江戸幕府の命により、木曽三川および流域河道の監視・整備にあたる川通掛(水行奉行)に任命されたことから、 全国的にもまれな治水関係資料が12,000点以上も伝来しており、その資料的価値は戦前から高く評価されてきました。


「高木家文書のうらばなし」では「高木家文書」にまつわる身近な話題をご紹介しています。ぜひご覧ください。


名古屋大学と「高木家文書」

『高木家文書目録』

『高木家文書目録』

1950年代、「高木家文書」は高木家の財政整理上の理由から古紙業者に渡りました。 これによって文書群は散逸の危機を迎えましたが、状況を憂えた高木家の知人・中島俊司氏の仲介を受け、 名古屋大学がこれらをまとめて受け入れることになりました。

文書群受け入れ後、名古屋大学では1971(昭和46)年3月に高木家文書調査室を設置し、 全学的事業として文書整理に取り組み、1982年度までに52,409点の整理を終えて『高木家文書目録』巻一~五を刊行しました。 また、調査結果を編纂し、『高木家文書調査報告』の刊行も行いました。

1989(平成元)年度から、残された書状・書付類数万点の整理が総合研究資料館の活動の一環として再開され、 現在は附属図書館研究開発室が整理事業を引き継いでおります。 また、「大学は積極的に学術情報資源を発信して社会貢献すべきである」といった要望から、 2001年より高木家文書のデジタル画像化と公開に取り組み続けています。


重要文化財指定について

木曽三川流域大絵図

〔木曽三川流域大絵図〕

2019年7月、名古屋大学附属図書館が所蔵する「高木家文書」の一部が、「交代寄合こうたいよりあい西高木家関係資料」の名称で、国の重要文化財に指定されました。

名古屋大学としては、唯一の重要文化財指定となります。この指定を受けて、名古屋大学では文書の保存活用事業にも注力し、令和3年度からは国宝重要文化財等保存・活用事業による文書修理を計画・実施しています。


■交代寄合西高木家関係資料(答申における解説より)
西高木家は江戸時代には交通の要衝である美濃国時・多良両郷(現大垣市)に所領をもち、 多良郷宮村に陣屋を構えた旗本であった。交代寄合という格式を持ち、美濃衆とも呼ばれ、知行地に在住して参勤交代した。 江戸時代を通じ一貫して所領支配を行うとともに、江戸時代前期から幕末まで木曽三川流域の治水を美濃郡代とともに担った事績は特筆される。 本件は、同家伝来の質・量ともに豊富な文書・記録類と典籍類であり、今回は目録作成が完了した32,756点を指定対象とする。 同家の所領支配や家臣団、幕府への公役等に関する資料はその職務と支配の実態をよく示し、 治水に関する資料は洪水が多発した木曽三川流域における治水・利水の営みを具体的に明らかにして河川行政研究上に注目されるなど、 本資料群は同時代の政治史、社会経済史、治水・災害史、土木技術史さらには古文書学等の研究上に高い学術価値を有する。(江戸時代~明治時代)

資料を見る

高木家文書デジタルライブラリーの画面

高木家文書デジタルライブラリー

「高木家文書」は、名古屋大学附属図書館が公開している 「高木家文書デジタルライブラリー」で、目録の検索と一部画像の閲覧ができます。

「高木家文書デジタルライブラリー」は、名古屋大学所蔵の文書群に加え、 本学以外の公的機関・個人が所蔵する高木家旧蔵文書群も登録されており、 旗本高木家文書の総合的なデータベースとして活用されております。 2024年6月24日から、東海国立大学機構学術デジタルアーカイブ上に移転し公開しています。

OKB大垣共立銀行高木家文書資料館

OKB大垣共立銀行高木家文書資料館の入口

「OKB大垣共立銀行高木家文書資料館」では、「高木家文書」を世に広める発信拠点として、「高木家文書」のレプリカを常設展示しております。 資料館への入場は無料で学外の方もご利用できますので、この機にぜひ足を運んでいただけますと幸いです。

2018年7月、名古屋大学はOKB大垣共立銀行から「高木家文書」の整理・保存・活用と本学の研究・教育支援の目的で、 10年間に総額3,000万円の支援を受けることになりました。 附属図書館では多額の支援に対する謝意を込め、中央図書館2階ビブリオサロンの名称を「OKB大垣共立銀行高木家文書資料館」と改めました。


入館案内

開館時間 平日・・・・・8:00-21:30
土日祝日・・・8:45-21:30
※特別展実施時は変更になる場合があります。各展示の案内をご確認ください。
休館日 中央図書館休館日に準じる(中央図書館カレンダー
※名古屋市に暴風警報等が発令された際は休館することがあります。
※資料館の臨時休館は図書館ニュース等で発信いたします
観覧料 無料
所在地 〒464-8601 名古屋市千種区不老町 名古屋大学中央図書館 2階
交通情報 >電車でお越しの方
 地下鉄名城線「名古屋大学駅」下車1番出口徒歩3分

>バスでお越しの方
 1)「名古屋駅」4番のりばから名駅17系統「名古屋大学」行き
 2)「栄」18番のりばから栄17系統「名古屋大学」行き
 (いずれも所要時間約30-40分)


展示スケジュール(詳細はこちら)

2024年1月11日(木)~9月30日(月) 常設展「旗本高木家と木曽三川流域治水」
2024年10月1日(火)~10月18日(金)休館 展示準備のため
2024年10月19日(土)12:00-16:00のみ開館 重要文化財特別展示(第20回名古屋大学ホームカミングデイ)(詳細はこちら)
2024年10月20日(日)~10月27日(日)休館 展示準備のため
2024年10月28日(月)~ 常設展「旗本高木家と木曽三川流域治水」

過去の展示
~2023年10月10日(火)常設展「旗本高木家と木曽三川流域治水」
2023年10月21日(土)~11月8日(水)第19回名古屋大学ホームカミングデイ附属図書館企画「思想史の森」水田先生が集めた書物展
2023年12月6日(水)~12月20日(水)「伊藤圭介生誕220年記念展示」


VR(バーチャル・リアリティ)展示

OKB大垣共立銀行高木家文書資料館の常設展「旗本高木家と木曽三川流域治水」については、 「VR(ヴァーチャル・リアリティ)展示」を行っております。 自宅に居ながら展示を鑑賞することができますので、ぜひご見学ください。

修理事業

ご支援のお願い

名古屋大学附属図書館では、国指定重要文化財に指定された高木家文書を守っていくため、ご支援を募っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

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