保存環境
注:このベストプラクティスではGood、Better、Best、Aspirationalの分類を使用しています。
概要
シェアードプリントにおいては、資料は長く保存されるという前提が伴います。そのため、シェアードプリント対象資料の保存環境に関して疑問が生じることが想定されます。さらに、図書館またはプログラムのグループがシェアードプリントの保存責任を調整しようとする場合にも、どのような保存環境が最も適切であるかについて疑問が生じることがあるでしょう。あるシェアードプリントプログラムにおいては、効率的で適切な保存環境とは、サービスライブラリーの開架書庫であるかもしれません。また別のシェアードプリントプログラムにおいては、安全で環境的に規制されたスペースでの保存を優先することが望ましいかもしれません。
このベストプラクティスは、(1)タイトルが保管されている保存環境の質を迅速に識別するために推奨される階層システム、および(2)シェアードプリントコレクションに最適な保存環境を決定する際に、プログラムと加盟館が考慮すべき推奨事項の2つのセクションで構成されています。
Good
Goodの場合は以下の状態でも許容します。
- 開架のフルサービスの図書館で、書架の利用状況を厳密に監視したり報告したりする機能がほとんどない施設タイプ
- コレクションへの自由なアクセス
- 時間加重保存指数(TWPI)が不明
- 監視されていない相対湿度
- 約21℃を超える最高温度
- 無制限の光照射
- 災害対策計画がない
- シェアードプリントの保持のための保存環境情報の表記がない
- 紛失リスクの高い資料と低い資料の優先順位付け、すなわち紛失リスクが低く、紛失した場合の影響が最小限であるとシェアードプリントプログラムにより特定されたタイトルや現物(例えば、多くの複本を有するタイトル)の優先順位付けがされていない
- 保持された冊子体とデジタルサロゲートの優先順位付け、またはデジタル保存されたタイトルの優先順位付けがされていない
Better
Betterの場合は以下の状態でも許容します。
- 独立型保管施設、またはフルサービスの図書館で厳重に監視された開架もしくは閉架エリアを持つ施設タイプ
- キーカードまたはロックを含まないセキュリティシステム
- 年間TWPIが40以上である
- 相対湿度が30~60%
- 約21℃以下の最高温度
- 無制限の光照射
- 少なくとも火災検知を含む災害対策計画
- シェアードプリントの保持のための保存環境情報の表記がない
- 紛失リスクの高い資料と低い資料の優先順位付けがされていない
- 保管用の現物とデジタルサロゲートの優先順位付けがされていない
Best
Bestの場合は以下の状態でも許容します。
- 独立型保管施設、または保存義務を持つ資料が閉架エリアに所蔵されたフルサービスの図書館の施設タイプ
- 常時キーカードまたはロックを含むセキュリティシステム
- 年間TWPIが75以上である
- 相対湿度が30~50%
- 約18℃以下の最高温度
- 無制限の光照射
- 最低限、火災検知と消火を含む災害対策計画
- シェアードプリントの登録に関連する保管施設のディレクトリを通じた記録(例:Print Archives Preservation Registryの施設ディレクトリ)、またはローカルメタデータを通じたシェアードプリントの保持のための保存環境情報の記録(例:公開レコードの583注記)といったシェアードプリントの保持のための保存環境情報の表記
- 電子的に利用可能だがデジタル保存されていないタイトル
- 紛失のリスクがあり、紛失した場合に影響があると特定された資料(タイトルまたは現物)の優先順位付け
Aspirational
Aspirationalの場合は以下の状態を許容します。
- 独立型保管施設であり、その保存義務を持つ資料が閉架エリアに所蔵された施設タイプ
- 常時キーカードまたはロックを含むセキュリティシステム、および明確かつ最新のセキュリティ方針
- 年間TWPIが120以上である
- 相対湿度30~40%
- 約13℃以下の最高温度
- 職員が書庫にいる時間帯に限定された光照射(人感センサーライト)
- 火災検知、消火、対応チームへの通知を含む、現在実施されている災害対策計画
- 鉄筋の建物、浸水リスクを最小限に抑えるよう配置された資材を含む災害対策計画
- シェアードプリントの登録に関連する保管施設のディレクトリを通じた記録(例:Print Archives Preservation Registryの施設ディレクトリ)、またはローカルメタデータを通じたシェアードプリントの保持のための保存環境情報の記録(例:公開レコードの583注記)といったシェアードプリントの保持のための保存環境情報の表記
- デジタルサロゲートを持たず、最後の1冊であるか希少価値の高いタイトルであり、紛失のリスクが高く、紛失した場合の影響が大きいと特定されたアイテム(タイトルまたは現物)の優先順位付け
保存環境

シェアードプリントに推奨される保存環境
このベストプラクティスは、シェアードプリントプログラム加盟館が利用可能な保存の選択肢を評価する際に支援することを目的としています。このベストプラクティスでは、基本的な環境規制を備えた安全で閉架の保管施設(表1にまとめられた階層1または階層2)での資料の必要性を考慮した推奨を行っていますが、すべての加盟館がそのような環境を利用できるわけではありません。
シェアードプリントの保持のための保存環境情報を公開する方法
選択肢1:シェアードプリントの登録に関連する保管施設のディレクトリ(すなわち、Print Archives Preservation Registryの施設ディレクトリ)を通じて記録し、公開します。関連する選択肢としては、メタデータの生成データフィールドとしてさらに階層を公開することです。1
選択肢2:ローカルメタデータ(すなわち、公開レコードの583注記)を通じて記録し、公開します。
情報源
- ALA CORE’s Library Storage Interest Group “Provides a forum for exchanging ideas on the planning, design, development, operation, management, and/or dismantling of library collection storage.” See website at https://www.ala.org/core/member-center/interest-groups/library-storage.
- Book – “Library Off-Site Shelving: Guide for High-Density Facilities” by Danuta Nitecki and Curtis Kendrick
- Environmental Standards for WEST Archives (2020)
- ISO 11799:2015 Information and documentation — Document storage requirements for archive and library materials
- Library Storage Facilities and the Future of Print Collections in North America (2007). OCLC Research Report by Lizanne Payne
- The Preservation Index and the Time Weighted Preservation Index
最終更新:2024年8月
原文:https://sharedprint.org/best-practices/storage-environment/
脚注
2022年8月現在、このための正確な場所と構文は、SPPのベストプラクティスとOCLCメタデータグループによってまだ議論されているところです。↩︎