除籍

注:このベストプラクティスではGood、Better、Best、Aspirationalの分類を使用しています。

はじめに

米国図書館協会(American Library Association)は、「コレクションの維持管理と除籍は、機関の種類に関係なく、図書館のコレクション管理システムの重要な構成要素であり、しばしば組織の目標と使命に関連している」と記しています。このベストプラクティスでは、シェアードプリントプログラムに参加している図書館のための除籍(すなわち、譲渡)に関する考慮事項について説明します。一般的に図書館は、権威、最新性、利用状況、多様性、ニーズなどに基づいて独自の最適なコレクションを決定するという、独特な観点から除籍を検討しています。実際ほとんどの学術図書館では、コレクションの維持管理(除籍を含む)は教員たちが主導するプロセスであり、大学の使命、目標、カリキュラムのニーズを反映したものであると考えています。しかし、シェアードプリントプログラムに参加した場合、コレクション管理は別の観点で考えなければなりません。より大きなシェアードプリントコレクションの一部として、図書館の収集と除籍の方針と手順の共同管理を考慮しなければならなくなるためです。シェアードプリントプログラムは情報提供と調整を通じて、こうした観点でのコレクション管理に参加館が移行することを支援する役割を果たさなければなりません。

プログラムが考慮すべきこと

  • 必要と思われる場合は、加盟館が現物資料を継続的に管理するためのリソースを見つけられるように支援すること。
  • 電子資料コレクションのメンテナンスには、リンク切れのトラブルシューティングや、リンクの正確性、最新性、関連性の評価が含まれるため、加盟館の情報クリアリングハウスまたはコーディネーター/技術アドバイザーとして活動すること。
  • タイトルがプログラムによって保存されていること、および検証されたタイトルが保存責任に従って利用可能であることを確認すること。
  • 廃棄を防ぐため、加盟館間の譲渡を促進すること。

加盟館が考慮すべきこと

  • シェアードプリントプログラムにおける保存状況を除籍の判断に反映させること。
  • 貸出、研究およびカリキュラムの関連性、物理的状態、WorldCat の所蔵数、デジタルアクセスの可用性など、検討基準のグリッドを作成すること。貸出回数、研究・教育課程との関連性、物理的な状態、WorldCatの所蔵数、デジタルアクセスの可否など、検討基準の表を作成すること。
  • 自館での保存責任が明らかにシェアードプリントプログラムの対象外である場合は、プログラムに通知し、保存責任を撤回できるかどうかを確認すること。
  • 自館のコレクションを検討する際には、他の加盟館の所蔵数を考慮すること。シェアードプリントプログラムによって保存されておりかつ希少価値がないタイトルの場合、貸出回数が少ない可能性が高く、よりインパクトのある活動に目録作成と処理能力を投資するほうがよいかもしれない。このような場合、シェアードプリントプログラムに通知し、保存責任を撤回できるかどうかを確認すること。
  • 除籍についてステークホルダーとコミュニケーションを取る際には、シェアードプリントやアクセスのつながりを強調するとともに、早期かつ頻繁にコミュニケーションを取ることで除籍を健全なコレクションの維持管理として社会化し、常態化させること。除籍によって得られたスペースを、図書館コミュニティにどのように役立てるか(例:新刊書やグループワークのためのスペースにするなど)について、説明文を作成すること。
  • 除籍についてステークホルダーとコミュニケーションを取る際には、図書館の中核的価値である(ILLによる)継続的なアクセスを常に強調すること。ILLについては、迅速な対応を提供することを強調すること。
  • 除籍についてステークホルダーとコミュニケーションを取る際には、シェアードプリントプログラムの文脈で話したり書いたりすること(例:自館のコレクションと共有コレクションの比較に基づいたプロジェクトとして枠組みを作り、所有の考え方からアクセスの考え方へとシフトするなど)。シェアードプリントプログラムを、国内または国際的なプログラムおよびコレクションのライフサイクルの文脈に位置づけること。
  • 除籍について、シェアードプリントプログラムや共同コレクションとは無関係であるかのように話したり書いたりしないこと。プロジェクトにおいてシェアードプリントプログラムが果たす役割を強調すること(例:除籍するタイトルの特定、保存している資料の欠号を埋めるための廃棄資料の活用、ILLを通じた除籍後の資料へのアクセス提供など)。
  • 除籍についてステークホルダーとコミュニケーションを取る際には、冊子体コレクションに強い愛着を持つグループに合わせたコミュニケーション戦略を立てること。フィードバックを受け入れるためのワークフローを確立するか、またはユーザーとニーズや懸念について話し合うことを任務とする正式な組織を設置すること。タイトルリストを見たステークホルダーは、新しい版や複本があることを知らない可能性があるため、旧版や複本について説明すること。
  • 除籍についてステークホルダーとコミュニケーションを取る際には、他の機関に寄贈された資料の数について最新情報を提供すること 1
  • 可能な限り、除籍した資料をシェアードプリントイニシアティブに提供することを申し出ること。所蔵館がほとんどないタイトルは必ずプログラムに寄付すること 2
  • 除籍した資料を他の図書館や組織に寄贈する場合は、利用者や学術コミュニティ全体にどのような利益をもたらすかをコミュニケーションで強調すること(例:資料がシェアードプリントに寄贈される場合は、その資料が将来にわたって保存され、利用できるようになる。資料が他の組織によってデジタル化される場合は、研究者が必要とするコンテンツに、より便利で新しい方法でアクセスできるようになる。)。
  • 除籍資料を他の加盟館で利用できないように処分する方法について検討すること。どの処分方法を適用するかを計画すること(例:書籍販売、リサイクル、埋め立て)。これらの決定をステークホルダーに伝える準備をすること。
  • プログラムまたはその加盟館に資料を提供する場合、提供するタイトル、その状態、図書館の連絡先(フォローアップのため、部署ごとのEメールアドレスまたはモニターアカウントを明記)、送付方法(例:誰が抜き取りを行うか、誰が送料を負担するか)、および提供の有効期限を明確に示すこと。
  • プログラムまたはその加盟館に資料を提供する場合、提供タイトルリストを作成し、資料には除籍済という印を付すこと。所蔵や目録を削除すること。必要に応じてWorldCat、PAPR 3、その他のシステムの所蔵情報を更新すること。

参考文献

American Library Association. Collection Maintenance and Weeding. January 2018.

The Rosemont Shared Print Alliance and the Partnership for Shared Book Collections Advocacy Working Group. “Weeding Communication in the Collections Lifecycle’’. コミュニケーションに関する有益な情報と、信頼を損なう可能性があるため避けるべき事項が含まれています。

最終更新:2023年7月


原文:https://sharedprint.org/best-practices/best-practices-for-weeding/

脚注

  1. 州や機関の規則に従うこと。例えばバージニア州では、適切な書類を提出すれば図書館はバージニア州の別の機関に譲渡することができる。それ以外の場合は、オークションにかけるために州に送付する必要がある。↩︎

  2. 注1に同じ。↩︎

  3. (訳注:)世界規模のソースネットワークから従来のリソースとデジタルリソースを取得して保存する大学、短期大学、独立研究図書館の国際コンソーシアムである Center for Research Libraries (CRL) のサービス。↩︎