コミュニティと信頼構築
はじめに
シェアードプリントプログラム(Shared Print Program ; SPP)を成功させるためには、加盟館がその協定(MOU)に署名した際の期待や約束を守るということを信じる必要があります。同様にSPPは、加盟館に参加を継続してもらい、非加盟館が参加したくなるような評判を築くため、加盟館からの信頼を得なければなりません。この信頼構築は、現在の加盟館や加盟館になる可能性のある館のリーダーだけでなく、一般職員とも行わなければなりません。例えば図書館長は、SPPを最大限に活用するために、SPPに加盟することが合理的な除籍や資料の共同購入につながるのだということを、コレクション開発チームに信じてもらう必要があるかもしれません。機関レベルでは、加盟館は、SPPが他のすべての加盟館が協定を守ることを保証するということを信頼しなければなりません。なぜなら、学術記録の保存はまさにチームワークであり、一つの図書館の行動がすべての加盟館に影響を与えるためです。つまり、信頼関係の構築には、機関同士の信頼関係も含まれるのです。このベストプラクティスでは、加盟館間のコミュニティ構築、および加盟館とSPP間の信頼構築に必要な様々な基準を提案しています。なお、プログラム間の信頼構築については本文書の対象外であり、シェアードプリントプログラムのパートナーシップに関するベストプラクティスの対象範囲であるため、本文書では触れません。
プログラムが考慮すべきこと
シェアードプリントプログラムは以下のことを行うべきです:
- 各加盟館に期待することを概説した、明確で詳細なMOUまたは契約書を作成すること。MOUのベストプラクティスも参照してください。
- リーダーシップの機会(運営委員会など)や定期的な会合を通じて、加盟館が運営に関与する機会を提供すること。
- 加盟館が意見や感想を述べる機会を提供すること。それらの意見に耳を傾け、タイムリーに対応すること。
- 統計とエビデンスに基づいて一貫した決定を下すこと。決定事項や任務は必ず遂行すること(すなわち、信頼できるという評判を得ることです)。
- ミーティング、アンケート、フォーカスグループなどにより加盟館からのフィードバックを得て毎年評価を行い、年次報告書や戦略計画を通じてこの評価を報告すること。プログラムの評価に関するベストプラクティスも参照してください。
- 加盟館が人材配置のスキルを欠いている場合、それを支援すること。専門能力開発および研修リソースを提供すること。スキルを持つ(または少なくとも同じ統合図書館システムを持つ)他の加盟館とのコネクションを提供すること。
- オープンなコミュニケーションを行うこと。特に加盟館の時間的、人員的プレッシャーを尊重する必要がある場合は、親しみやすく、親近感を持てるようにすること。
- シェアードプリントに関する教育(シェアードプリントの教育と啓発に関するベストプラクティスを参照)に取り組み、マルチメディアファイルだけでなく、有益な(そして進捗状況を示す)ダウンロード可能な書面を作成することによって啓蒙を促進すること。
- 加盟館にとっての費用対効果、リスク、プログラムへの影響(シェアードプリントのコストと価値に関する調査を参照)、特に加盟館単独では達成できないような目標がプログラムによってどのように達成しやすくなるか/より迅速に・より費用対効果の高い方法でタスクを完了できるようになるかについて、明確に述べること。
- コミュニケーションにおいて透明性を保つこと。重要な問題(例:保存施設、貸出ポリシー、共同での蔵書点検、保存期間)に関する一般向けの情報を作成すること。
- 国内外のプログラムおよびコレクションのライフサイクルの中におけるシェアードプリントプログラムの役割を明確にすること。
- すべての加盟館が約束やその他の合意を守ることを奨励するような方針と手続きを設けること。加盟館が約束やその他の合意を守ることができない場合、最善の行動について助言すること。
- メタデータの標準、および雑誌については所蔵の詳細レベルの標準を遵守すること。
- 必要な場合、現物所蔵の移管に関する方針と手続きを整備すること。保存責任または資料の移転に関するベストプラクティスを参照してください。
- 新規の参加と保存資料の範囲拡大の両面において、拡張に関するベストプラクティスに従うこと。注:これは将来ベストプラクティスに追加するかもしれません。
- 多様性、公平性、インクルージョンの価値を促進する方針と手続きに取り組むこと。
- 加盟館の連絡先を定期的に確認し、新たな連絡先を受け入れること。
加盟館が考慮すべきこと
加盟館は以下のことを行うべきです:
- すべての関係スタッフ(コレクション、目録、リソースシェアリング、および貸出)が、SPPのMOUや図書館に期待されることを概説したすべての合意事項(特に責任(保存責任の登録、メタデータ標準、貸出慣行、除籍方法を含む)、保存期間、保存資料を紛失した場合の責務)を熟知しているようにすること。
- 保存責任のある資料が誤って除籍されないよう、関係するスタッフ全員に保存責任の確認方法を教育すること。
- スタッフが必要なスキル(保存責任の登録、メタデータ標準など)のトレーニングを受けていない場合は、専門的な能力開発やトレーニングリソースを利用させるか、そのスキルを持つ(少なくとも同じ統合図書館システムを持つ)他の加盟館のスタッフと連携すること。
- 自館のスタッフがスキルを持っているのであれば、他の加盟館のスタッフを助けたり、指導したりしてもらうこと。
- シェアードプリントについてスタッフに教育し(シェアードプリントプログラムの教育と啓発に関するベストプラクティスを参照)、定期的な説明/アップデートを行い、SPPによって作成されたマルチメディアファイルだけでなく、情報を提供する(そして進捗状況を示す)ダウンロード可能な文書にもアクセスできるようにして、啓蒙を促進すること。
- コミュニケーションにおいて透明性を保つこと。スタッフに重要な問題(例:保存施設、貸出ポリシー、共同での蔵書点検、保存期間)について理解させること。
- リーダーシップの機会(運営委員会など)や定期的なミーティングを通じて、ガバナンスに関与する機会を得ること。
- 定期的にフィードバックを送ること。
- 会議に出席したり、アンケートに回答したり、フォーカスグループに参加したりすること。
- 可能な限り、約束やその他の合意を守ること。
- 可能な限り、メタデータ標準、および雑誌については所蔵の詳細レベルの標準を遵守すること。
- 必要な場合、現物所蔵の移管に関する方針と手続きを整備すること。
- 多様性、公平性、インクルージョンの価値を促進する方針と手続きに取り組むこと。
- 連絡先が変更になった場合はSPPに連絡し、新しい連絡先があれば登録してもらうこと。
その他の情報源
SPPの協定に対する信頼を高めるためのいくつかの基準が含まれています。
コミュニケーションに関する有益な情報と、信頼を損なう可能性があるため避けるべき事項が含まれています。
最終更新:2023年5月
原文:https://sharedprint.org/best-practices-for-community-and-trust-building/