コレクション分析

コレクション分析を調整するための推奨事項

新しいシェアードプリントプログラムの立ち上げ、既存プログラムへの参加、あるいはプログラムの見直しなど、シェアードプリントプログラムの検討の初期段階にある図書館スタッフは、コレクション分析を実施することになります。このプロセスは、分析されたコレクションがシェアードプリントプログラムから利益を得られるかどうか、またそのプログラムにとってコレクションが有益であるかどうかを判断するのに役立ちます。コレクション分析によって、ある図書館の蔵書が既存のプログラムにどのように適合するかが決定されます。

シェアードプリントプログラムに加盟しようと考えている館のコレクション分析においては、複数の加盟館の蔵書との重複や相違が調査されます。また、保護が必要な希少なタイトルが浮き彫りになる場合もあります。シェアードプリントプログラムは、その分析結果を用いて、加盟館間での保存責任の割り当て方法を決定します。

コレクション分析は一般的に、シェアードプリントプログラムを開始または参加する際の最初のステップであり、図書館やプログラムが取ることのできるアプローチは多岐にわたります。分析プロジェクトには多大な時間と労力が必要であり、計画および実施プロセス全体を通じて検討に値することがいくつかあります。

プログラム/図書館の検討事項

シェアードプリントにおけるコレクション分析を開始する前に、シェアードプリントプログラムは以下のことを行うべきです:

プロジェクトの範囲を定義する

  • 分析の目的は何か。例:重複、ギャップ、希少性の特定、主題(LC分類あるいは件名)の強み、出版日、地域・自機関の関心、所蔵館の地理的地域など。
  • 最終的に希望するアウトプットは何か。例:記述レポート、スプレッドシート、レコードセット、カスタマイズされた分析用のプラットフォームなど。
  • 分析するレコードの範囲は(Shared Print Toolkitの範囲についてのページを参照)。分析するレコードのセットの範囲を最初から限定しておくか、コレクション分析ツールで対象外の資料をフィルタリングできるようにするかを決定する。
  • どのレベルの分析が必要か。雑誌や多巻もの場合、タイトルレベルの重複分析で十分なのか、それとも巻号レベルの情報が必要なのか。図書の場合、版、刷、またはバージョンの状態を確認または分析する必要があるか。ほとんどのツールは、ISBN、OCLC、またはタイトルレベルでの自動分析しか行わないことに注意されたい。追加で手動分析するためのリソースはあるか。
  • その他に扱うデータはあるか。例:貸出統計(貸出回数の多いタイトルは複本の保存が必要な場合がある)、HathiTrustやその他のデジタルコレクション、他館の所蔵、OCLCデータ(ユニークさ/希少性)、年代/出版日、LC分類や件名(主題の強み)、資料の価格、対象プログラムまたは関心のある他のシェアードプリントプログラムにおける既存の保存責任など。

プロジェクトの要件を特定する

  • 分析対象のレコードはどこにあるか、分析レポートはどこに保存されるか、(該当する場合)別のシステムにレコードをエクスポートするためにはどのようなプロセスを取るか。
  • データの収集、準備、処理、分析を担当するスタッフは誰か。
  • ニーズと予算に見合うシステムはどれか。

プロジェクトの障害を考慮する

  • 参加への障壁は何か。コレクション分析ツールにかかる費用、参加に必要なスタッフの時間、選択したシステムを使用する難しさ(特別なトレーニング、レコードのエクスポートとクリーンアップ、専任スタッフが必要かなど)。これらの障壁を克服または軽減することは可能か。
  • シェアードプリントのためのコレクション分析は「1回で終わり」の活動ではないため、スタッフの継続的な時間へのコミットメントが求められる。コレクションは動的なものであり、保存責任には見直しと注意が必要。例:紛失/破損した資料、範囲外の資料、ILLに関する考慮事項やシェアードプリントプログラムの要件、新しいスタッフの研修など。
  • 分析対象レコードのデータの質。分析対象レコードに問題がないか。例:簡略である、RLINなどのレガシーシステムからのレコードである、システム移行によって作成または変更された可能性のあるレコードであるなど。参加館間で一貫性のないデータポイントはあるか。例:貸出回数のデータが含まれる場合、館内利用の回数が含まれているのかどうか、何年分の貸出データなのか、それは分析にとって重要かなど。何年分の貸出データが利用可能か。それは分析に影響するか。製本や分析単位をどのように扱うか。雑誌のタイトル変遷・派生をどのように扱うか。多巻ものの巻次をどのように扱うか。
  • コレクション分析を開始する前に完了させておくべき現在進行中の除籍プロジェクトや、除籍を検討中で分析から除外すべきレコード群はあるか。

コレクション分析ツールの選択

コレクション分析ツールを選択するにあたり、シェアードプリントプログラムは以下のことを行うべきです:

  • レコードの質を確認する
    • レコードは、検討中のシステムが定めるデータ要件を満たしているか。分析するレコードが持っている潜在的な問題点は何か。例:OCLC番号を突合キーとして使うシステムであるのにOCLC番号が欠けているレコードがある、簡略である、製本されている、シリーズものなど。
    • そのコレクション分析ツールは、これらの問題をどのように扱うのか。
    • 入力前にデータクリーニングが必要か。もし必要な場合、その作業を行う自組織のリソースや人員配置はあるか。
  • アウトプットの有用性を評価する
  • そのツールは、具体的な行動につながる情報やレポートを提供するか。
  • 自館で使用しているILS/LSPの一部ではない外部ツールを使用する場合、その結果を自館のシステムに反映させるために必要な情報が得られるか。
  • 分析ツールの能力を評価する
    • そのツールは、複数のOCLC番号やISSN番号にまたがるタイトルファミリーを照合できるか。
    • そのツールは、製本雑誌の差異(例:複数巻を合冊したもの、1つの巻を複数に分けて製本したもの)にどのように対応しているか。
  • 保存責任割り当て機能を確認する
    • そのツールは、保存責任を参加館間で公平に割り当てできるか。図書館の好み(主題の強みなど)に基づいて割り当てられるか。

コレクション分析ツールの活用

コレクション分析ツールを使用する場合、シェアードプリントプログラムは以下のことを行うべきです:

  • 分析精度を検証する
    • コレクション分析ツールがプロジェクトの目標を満たす結果を出しているかどうかを判断する。プログラムは、専門知識を持つ者がツールによって生成された分析をレビューするよう計画を立てるべきである。それにより、結果が正確にフラグ立ておよび配分されていることを確認し、必要に応じて、望ましい出力を得るために分析をさらに磨き上げることができる。特に注意すべき点は、ツールのマッチングアルゴリズムが、プログラム/図書館のニーズやプロジェクトの範囲に合っているかどうかである。例:あるタイトルの後続版は重複してカウントされるのか、それとも別個のものとしてカウントされるのか。誤って冊子体に含まれてしまった印刷体でない資料やその他の資料がないか確認することも必要である。
    • その結果はプログラムのMOU(Memorandum of Understanding)に記載された目標と一致しているか。

コレクション分析に着手する際は、シェアードプリントプログラムにおけるよくある落とし穴についても確認しておくと良いでしょう。

最終更新:2025年9月


原文:https://toolkit.sharedprint.org/collections/collection-analysis