希少な資料

注:このベストプラクティスではGood、Better、Best、Aspirationalの分類を使用しています。

集合的な学術冊子資料の多様性と永続性を確保するために、シェアードプリントプログラムでは共同コレクションの管理の複雑さを理解する必要があります。シェアードプリントプログラムのネットワーク内および州または地域の収集プログラム内で希少な冊子体資料を特定し、情報をやりとりすることは、冊子資料の蔵書を大規模に管理するための鍵となります。このような理由から、図書館やプログラム内で一冊しかない資料や希少な資料に遭遇したときの指針となるよう、希少な資料に関する取り組みについて以下のことを推奨しています。

シェアードプリントプログラムの成長と成功に伴い、図書館はプログラムと連携し、自館の蔵書構築方針と取り組みに従ってタイトルを除籍する傾向があります。このベストプラクティスでは、タイトルを除籍する前に、そのタイトルを保持している加盟館の数をプログラムで評価することの重要性を強調しています。

注:共同コレクションの管理に関するケーススタディは、各プログラムが希少資料の方針を策定する際に役立つかもしれません(OCLC, 2021を参照のこと)。様々なプログラムで確立された一冊しかない資料の方針についての付録は、本文書の最後に掲載しています。

ベストプラクティス

各レベルは、それ以前のすべてのレベルを満たしていることを前提とします。

Good

プログラムは以下のようにすべきである:

  • プログラムにおいて希少な資料とみなす冊数を定義する。例えば、シェアードプリントプログラム内に1冊所蔵、州内に2冊所蔵、WorldCatに3冊所蔵など。注:理想的な冊数や共通認識とされているような冊数はない。希少性は、形式、著作の種類、特定の学術領域における研究者にとっての資料の相対的価値、およびシェアードプリントプログラムの規模によって異なるため、各プログラム内で決定されるべきである。
  • シェアードプリントの開示に使用されるべきMARCタグの概要を示すOCLC詳細メタデータガイドラインに従い、希少な資料がシェアードプリントプログラム内に記録され、除籍されないように、書誌レコードに各館の保持注記を追加する(参照:シェアードプリント対象資料に関する情報の開示)。

Better

プログラムは以下のようにすべきである:

  • MOUまたは関連する方針文書に、希少な資料の定義を含める。
  • 資料の種類/形式に対処する。
  • アクセスを優先する。要求されたタイトルへのアクセスを提供するために、あらゆる合理的な努力を払う。
  • 希少な資料を扱う場合、特殊コレクションへの移転が望ましい状況を検討する(ACRL,2016を参照)。方針の適用は、加盟館の特殊コレクションのスタッフとの対話の中で行われる。
  • 既存のデジタルサロゲートを少なくともタイトルレベルで検証する。

Best

プログラムは以下のようにすべきである:

  • 希少な資料の定義において、著作物の版や表現に言及する。
  • HathiTrustのような信頼できるデジタルリポジトリ内で、デジタルサロゲートがまだ利用可能でない場合、希少な資料または一冊しかない資料に対してデジタルサロゲートを作成するかどうかをMOUに明記する。一般的に、図書館は希少な資料のデジタルサロゲートが確実に存在するよう努めるべきである。
  • タイトルを所蔵している図書館の総数を過大評価しないよう、識別子と一致するポイントを慎重に検討する。
  • 次の要因のバランスを慎重に考慮した方法で、ほとんど所蔵されていない資料へのアクセスを提供する:シェアードプリントコミュニティ(地域、地方、パートナーシップ)において利用可能な資料の数、資料の状態、電子資料が利用可能かどうか、電子資料も利用可能な場合における冊子体資料への利用者のニーズなど。館内での使用制限も考慮する。
  • Partnership for Shared Book Collectionsのデジタルサロゲートのガイドに従って、デジタルサロゲートを記録する。
  • 既存のデジタルサロゲートを少なくとも版レベルで検証する。

Aspirational

プログラムは以下のようにすべきである:

  • 書誌レコードをより広く共有し、他のシェアードプリントプログラムに情報を提供できるようにする。
  • シェアードプリントプログラムは、パートナーシップ全体の中でほとんど所蔵されていないタイトルの状況を考慮すべきである。
  • シェアードプリントプログラムは、北米全域で複数冊が所蔵されていることが判明している場合には、潜在的な利用に関して、できるだけ多くのパートナーシップ館からの距離が近くなるような、資料の地理的な分散を検討すべきである。
  • 有効なデジタルサロゲートが利用可能である場合、資料の状態など貸出を妨げる理由により、冊子体の保持を中止する権限を加盟館に与える。
  • 北米全域に複数冊が所蔵されていることが判明している場合、潜在的な利用に関して、所在場所および施設の安定性(天候、自然災害の観点から)のような地理的な分散を考慮する(France & Bogus ; シェアードプリントプログラムにおける保存 ; 地理的分散を参照)
  • デジタルサロゲートがない場合は、デジタルサロゲートを作成する。
  • 既存のデジタルサロゲートを少なくともページレベルで検証する。

参考文献

ACRL. (2016). Guidelines on the selection and transfer of materials from general collections to special collections. Guidelines, Standards, and Frameworks. Association of College & Research Libraries. http://www.ala.org/acrl/standards/selctransfer

France, F. and Bogus, I. (n.d.). Assessing the physical condition of the national book collection. https://nationalbookcollection.org/overview

OCLC. (2021). Weeding and deselection bibliography. SCS and GreenGlass. https://help.oclc.org/Library_Management/SCS_and_GreenGlass/Weeding_and_deselection_bibliography?sl=en#CollaborativeCollectionManagement

付録:ラストコピー方針

  1. Rosemont last copy agreement: https://docs.google.com/document/d/1z4g9n6vmiLIQA2HBCEr-ArzOLapXGrpkXPMKI9tDr4w/edit
  2. Rosemont last copy donations and transfer guidelines: https://docs.google.com/document/d/1dxquRTRt99wdL_2l0YEp0w8gn8kcyAip6M67_scp4RQ/edit
  3. CARLI Last Copy Program: https://www.carli.illinois.edu/products-services/collections-management/last-copy-project
  4. ALI Last Copy Policy: https://academiclibrariesofindiana.org/shared-collections/reports
  5. Keep@Downsview Memo of Agreement : https://content.library.utoronto.ca/common/pdf/201801081636.pdf
  6. Appendix A of COPPUL/SPAN Monographs Project: https://drive.google.com/file/d/1DHK9QEJsxWKogTsNiwayJ5hUWRjz4Hjz/view

最終更新:2022年12月


原文:https://sharedprint.org/best-practices/scarce-copies/